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その姿を見た時雨は、心なしか安堵した。
どうやら、先程の事を無かった事にしたいと思われていたわけでは無いらしい。
そして、急に説明を始めたのは、唯の照れ隠しの様だった。
そんな風に時雨は解釈したが、実にその通りだったのである。
巴はただ単に、話を逸らしたかったのだ。
恥ずかしいのに耐え切れなくなったから、と言うのもあるが、一番の理由は、時雨に図星を刺された気まずさと言うようなものだ。
そんな巴達の心情を他所に、時雨は巴に質問をする。
「なぁ、巴。戻すのは良いんだけどさ、どうやって戻すの?」
巴は、余程動転していたらしい。
肝心な所の説明が抜けていた。
『あぁ~。それは俺が説明する。神の瞳を使えばいい。創造した時と同じように、それは神の知識を秘めている。ただ思い浮かべればいい。そうすれば欲しい知識が頭の中に浮かぶだろう』
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