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時雨は、ヒクッと口元を引き攣らせながら聞く。
『つまり時雨様は、神と悪魔、その両方の加護を持っていることになりますね!』
巴は、とってもいい笑顔で時雨に答える。
しかし、最も否定してほしかった事をはっきりと言われてしまった時雨。
せめてもの最後の足掻きにと、時雨は反論を試みる。
「いやいや、何で俺が相反する二つの力を持ってんだよ!可笑しいだろ!?普通に考えて」
怒涛の如くの勢いで紡がれた言葉。
しかし、其れは正論を語っていた。
本来、相反する力を持つ事は出来ない。
それは世の理である。
今の時雨は、その理を覆す存在なのだ。
だから時雨は反論を口にする。
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