第4章 新たなる力

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 会ってはならない事だから。  そんな討論(とうろん)を巴と()り広げる時雨。  その様子を見守っていた夜光は、こう思う。  此処(ここ)に来て、時雨のキャラが(くず)れてきているのは気のせいだろうか。  最早、無表情だった時雨は、幻だったのかとすら思えてくる豹変(ひょうへん)ぶりだ。  元々、周りの人々が言い出した事だ。  ”氷の貴公子(きこうし)”  時雨がそう呼ばれる様になったのは、何時(いつ)だっただろうか。  何時も無表情で笑わない。  氷の貴公子とはよく言ったものだ。  今では表情がくるくると良く変わっている。  見ていて()きない程に。  『おい、もうその辺にしとけ。巴も。まだ説明、終わってないだろう』
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