第4章 新たなる力

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 今までの会話でも、口調が崩れていることはあった。  それでも、直ぐに硬くなっていた為、時雨はずっと疑問だった。  どっちが素なのか。  『はい、そうですね。これが私の素です。今まで黙っていて、すみません。あ、あの。このことは・・・』  「大丈夫だ。誰かに言うつもりは無い。巴だって事情があるだろう。謝るなよ」  巴の言いたい事を()み取り、時雨は返す。  その言葉に、巴は胸を()で下ろす。  時雨の言う通り、巴は硬い言葉遣いを常に心掛(こころが)けていた。  巴は、神の末席(まっせき)()天狐(てんこ)(おさ)。  長たるために、威厳(いげん)を保つ必要があった。  普段は敬語で過ごしている巴も、言葉遣いを変える必要性に(せま)られた。  だから巴は、長に就任(しゅうにん)して以来、ずっとあの言葉遣いを続けていた。
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