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この長い時間の中で、巴と夜光との会話の機会も増え、友好的な関係を築いていた。
対であった巴と夜光は、互いにしか対等で話してくれる者がいなかった。
初めて対等で話してくれる時雨に、二人は安堵ともいえる感情を抱えていた。
それだけ、嬉しかったのだ。
『はい、行く予定ですよ』
時雨の問いに、巴は笑顔で答えた。
最も変化が大きいのは夜光ではないだろうか、と巴は思う。
以前までの夜光ならば、口を開く事すら数える程度だった。
しかし、今では主に時雨限定だが、良く話すようになった。
思えば、夜光が初めて時雨と会った時から既に饒舌だった気がしないでもないが、巴にしてみれば良い変化なのだろう。
だが、何も変わったのは夜光だけではない。
時雨もだが、巴も例外ではない。
寧ろ時雨はあまり変わっていない。
敢えて例を挙げるなら、良く笑う様になった所だろうか。
それでも、時雨の根本的な性格は変わらない。
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