第5章 愛し子

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 それを見た時雨は、暫くの沈黙のち、思わず呆けたような声を出した。  それもその筈、夜光が()すその先には、誰がどう見ても―・・・  「(うさぎ)・・・だよな・・・?」  そこに()たのは、(はね)などが付いているながらも、誰もが知る(うさぎ)、だった。  『そうですね。兎ですね』  『あぁ、兎だ』  時雨の(つぶやき)きに、巴と夜光は肯定(こうてい)する。  真っ白な毛並(けな)みに、(むらさき)色の目をしたそれは、なんとも愛嬌(あいきょう)がある。  しかし。  「これで行くんだよな・・・?」
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