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座席は濡れていて、その座席の下に女性は丸まっていた。
「この話には続きがありましてね。私の顔、覚えてません?」
この時初めて、女性は顔を上げて運転手の顔を見た。
すると、ハッと息を呑んだ。
「まさか・・・そんな・・・」
運転手は話を続ける。
「幽霊でも乗せてしまったのかと驚いて、慌てて運転席を降りて後部座席を確認しようと開けたんですよ。そしたら女性が私を突き飛ばして出てきたんです。どうやら蹲るかして隠れてたらしい。大方幽霊のふりでもして料金を踏み倒すつもりだったんじゃないですかね。」
女性は頭を抱えてカタカタと震えだした。
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