一章

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焼けるように暑い日だった。アレが起こったのは・・・。                1 「やっぱり、やめとけばよかったなぁ」 新谷武(しんがいたける)は額の汗を武ぐいながら、不満をこちにした。 「ぼやくな、ぼやくな、裏DVDが見られるんだからよ」 横を歩いている、室賀和之(むろがかずゆき)が励ましの言葉を掛ける。 「しかし、なんで学校に置いてあんだよ」」 「しょうがねえだろ、家だと親に見付かる」 「うっ、確かに・・・」 そういえば、俺も今回、帰省したら部屋に隠してあった、エロ本やヘア・ヌード写真集が全部、母さんに捨てられてたからなぁ・・・、と崇は思い出し、一人、納得した。母親恐るべし! 「なあ、カズ」 「なんだよ」 カズこと、和之が汗まみれの顔を向けた。 「なんで、制服なんだよ。夏休み中なのに、意味なくないか?」 「バカか!お前、制服だったら、もし、先生にみつかっても部活だって、云い訳できるだろ!俺ら、帰省してるの知られてるんだからよ」 「なるほど」 東條学園では夏休みに帰省する場合は届をださなければいけない。が、教師たちは普段通り、出勤している。基本、生徒であれ、帰省中の期間は部活動以外での出入りは原則禁止だった。 あいつに会わなきゃいいけどな・・・・・・。武は一人、そう、思った。                               2 東条学園のプール。大勢の女生徒が楽しげに泳いでいた。
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