昔話

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その橋は、元は架かってはいなかったのだ。 小さな伝馬船が船頭さんの手漕ぎで浜から浜へと人を運ぶようなそんな場所だった。 お互いの家の様子が手に取るように分かる、細長い、川のような入江に向かい合った集落同士。 そこをつなぎ、お互いを行き来させるものは、この一艘の伝馬船だけであった。
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