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上機嫌な夏子。蒼衣が珍しく、というか初めて積極的な態度を見せたのが嬉しいらしい。これは涼太のおかげだ。
「ああ、といっても臨時採用だけどな。俺とそいつの仲とは言え、使えなきゃそく切られる厳しい世界だ。本来、倍率は50から100倍って言われてんだぜ」
なんとそんなに。蒼衣は興奮した。これこれ、こういうの。こういう凡人とは違うアブノーマルな仕事がしたかったの。
「どんな仕事?」
緊張混じりに尋ねると、大吉はしばらくうろ覚えの記憶を手繰り寄せるように虚空をにらみ、やがて下手くそな横文字発音でこう言った。
「ドルフィントレーナー」
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