12人が本棚に入れています
本棚に追加
健康的に日焼けした小麦色の肌なのに、透き通るほどきめ細かい。冬の凪いだ海を思わせる、凛と冴えた深い色彩の瞳。背は高くないが、すらりと伸びた背筋と落ち着いた佇まいは貫禄さえある。
蒼衣はこれほど透明感のある女性に会ったことがなかった。同い年ぐらいだろうか。初めて見たときから正直目を奪われていたが、見た目の若さから受験者側の人間だと思い込んでいた。
「さて、自己紹介も終わったので、さっそく試験に移っていきましょう！」
海原が笑顔で手を叩いた。
最初のコメントを投稿しよう！