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第2話-3
ストレッチを済ませた後、蒼衣たちは待ち侘びた入水を許された。無邪気に飛び込んだ蒼衣を冷たい海水が歓迎する。屋内の海なんて初めて入ったが、驚くほど外の海と遜色ない。
壁面上方にかけられた丸時計は、間もなく午前8時を示すところだった。これからいよいよ、本格的に試験がスタートする。
程よい緊張感で引き締まった全員の顔を見回して、海原が笑顔で声を張り上げた。
「最初の試験を始めます。内容はとってもシンプルです。今から僕が合図をしたら、息の続く限り水中に潜ってください。そのタイムを測らせてもらいます」
はい、と蒼衣以外の4人が気持ちの良い返事をした。ぼーっとしていた蒼衣も慌てて続く。
体のどこか一部でも水面に出た時点で計測終了となるルールらしい。これだと、体が浮いていかないようにコントロールしながら潜水することが求められる。
「皆さんの全身が完全に水没したタイミングでそれぞれ計測を開始します。相対的な評価は一切しません。こちらで定めた基準タイムを超えて潜り続けていられれば皆さん通過となりますし、その逆もあり得ます」
ふうん、なるほど。
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