ドライを極めた男

3/13
1347人が本棚に入れています
本棚に追加
/125ページ
「ずっとさあ、何だろーって思ってたんだよ。イッてねえのになんかイッたっぽい感じ、っつーかそれ以上? よっぽど田岡がウマいんかと思ってたけど、スゴイのは俺の体だったんだな。限界知らずってヤツ。お前意外と絶倫だから調度いいし。あ、でもたまにキツイ。マジ死にかけてるときあるよ。あれ、寝ちゃったっつーよりオチちゃってるから。俺は時々、田岡って実はものすごいどエスなんじゃないかと……聞いてる?」 いつまでもベラベラと、下品な俺の隣で田岡は頭を抱えていた。 最後の方はただの苦情だけど、項垂れてガックリきている様子はそこそこ笑える。 田岡はげっそりしながら顔を上げ、無言でパソコンの画面を落とした。 この数十秒間で一気にやつれたような気がする。 「……山本…」 「ん?」 「お前は俺に恨みでもあんのか?」 なんて聞いてくる。 可哀想に。弱っちゃって。 そこで俺に芽生えてくるのは苛虐心。 「ああ、まあ、あるっちゃあるかなー。ある日突然掘られるしー、割としつこいしー、気絶させられるしー、シてる時の田岡ちょっと怖いしー」 気持ちいいけど。 それは伏せて責めるだけ責めると、田岡はみるみる沈んでいった。 次いでこいつが立証したのは、自分の謝りグセ。 「……ごめん」 「いいよ」 「…………」 納得いってなさそー。 当然か。
/125ページ

最初のコメントを投稿しよう!