恋に悩んでみる

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*** で。田岡の部屋。 お前の部屋行きたい、の後、見るからに難色を示した田岡。 またそんなこと言い出すのかよって感じに困っていた。 だから。 「ちょっと……パソコン? あー……そう! 調子悪くて! パソコンの!! 課題終わってねえからさあ、貸してくんない?」 と、我ながら呆れを通り越す苦しい誤魔化し方で、なんとか田岡の部屋に上がり込んだ。 しかしそこは無計画。 現在俺は、難題に直面中。 「課題ってこの前言ってたレポートだろ? 資料あんの? 手ぶらみたいだけど」 「…………」 田岡の部屋でノートパソコンを貸し出されて、それの前に座ってからはもう言い訳の仕様がない。 俺が常に持っている物と言えば、財布とかケータイとかその程度。 大きな荷物をどこにでも抱えて持っていく女の子とは違って、必要最低限の物しか持ち合わせない。 ましてレポート用の資料なんて。 ていうか教科書類、全部大学のロッカーにぶち込んでくるからね。 おそらく田岡は、最初から分かっていたと思う。 折角目を見て話せるようになったのに、また拗らせる事がないようにという配慮で俺のウソに付き合った。 多少さっきの言い方には棘があったものの、それは全面的に俺が悪い。 「好きに使ってて」 俺に茶を出すだけ出して、田岡はそれ以上何も言わずに背を向けた。 学生が一時的に住まう狭い部屋の中、田岡が足を向けた先はまさかの玄関。
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