季節はずれの海で…

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それをその子は、手の平に取り出しては、小さな指で一つ一つ、つまんで口に運んでいた。 (どこの子かしら……? 近所に住んでるのかな……?) ミドリは、その子の顔をまじまじと見ながら思った。 やがてミドリは、その子と同様に隣のブランコに座った。 するとその子は、ビンからいくつかの小さな菓子を取り出し、ミドリに差し出した。 「わー、くれるの? ありがとう」 ミドリが手を差し出すと、その手の菓子を全部、載せてくれた。 そしてミドリが口に入れると、その子が、 「海の味がするでしょ?」
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