季節はずれの海で…

8/8
前へ
/8ページ
次へ
それから十数分後、ミドリは走る電車の座席にいた。 奇妙な少女からもらった、ビンに入った「海」のお菓子を食べてみた。 さっきより味が薄くなっていた。 (やっぱり海の近くで食べた方が美味しいみたい……) 窓の向こうに、夜の海が見えていた。 (また、絶対に来よう……) ミドリは、そのビンの蓋を閉めると、トンネルに入るまで、遥(はる)かな海を見ていた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加