上司がいろいろスゴかった

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「お前の中で金で解決するなら要求は呑む。それで気が済まないなら世間にでも俺を晒せ」 「フザけてんですか。金なんかいらねえし課長の社会的失墜も望んでいないので今晩泊めて下さい」 「……早まるな。今ならまだお前は被害者だ。いい年したおっさんのケツだぞ。俺が言うのもなんだが目を覚ませ」 「ばっちり覚めてます。俺は何もいりませんけど課長は自分のした事に責任取るべきです。俺でムラムラするんでしょう?」 「…………」 「心配しなくても俺は男に興味持った訳じゃないんで大丈夫です。いい年したおっさんのケツなんて掘りたいとは思いませんけどあなたは別です、ってか課長おっさんって感じじゃないし全く」 「そういうの要らねえよ」 「本心なんだから仕方ないじゃないですか。もう一回、今度はちゃんと抱きたい」 はっきり言葉に出すと課長は困ったように眉間を寄せた。 まだほんのりと赤い頬が可愛くて、悪戯心にちゅっと口付けてみれば目を見開いたまま固まる。 さっきまであんなことを仕掛けてきていた人の反応とは思えない。 「……課長、まともに恋愛経験なかったりします?」 「男とはな。一回寝た相手とはそれ以降会わないようにしてきた」 「荒んでますね……」 「何かと面倒なんだよ」 大人の事情らしい。 分が悪そうに吐き出す課長は怒っていると言うよりも拗ねている。 横から控えめに抱き寄せてみれば渋々ながらもポスッと頭を埋めてきたから本格的に抱きしめ返した。
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