上司がいろいろスゴかった

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まあ久々に付き合えと、就業後にそう言った課長は俺を飲みにつれ出した。 普段から仕事ができて頼りになる課長の誘いとあって喜んで付いて行った俺だが、軽く一杯引っかけたところで早々に店を出た。 そしてその次に向かった先がなぜかここ。 課長が住むこのマンションだった。 課長にはいつもすごく世話になっているしもちろん尊敬だってしている。 俺もこんな男になりたいと、密かな憧れまで抱いていた。 そんな人の家に上がり込むのは当然ながらこの上ない緊張感を伴う訳で、玄関でヘコヘコしながら焦りを隠す事もできずにお邪魔しますと口にした。 どうやらとんでもない事になった。 まさかこの人の部屋に上がれるなんて。 緊張の中、多少は浮かれた気分も持ち合わせつつ課長の後に続いて入ったリビング。 部屋でゆっくり飲み直そう。 そういう意図だろうと思っていたのだが、しかし課長の足はリビングのソファーにもダイニングの四角いテーブルにも向かなかった。 首を傾げる俺の腕を引き、連れられたのはどうしてなのか寝室。 ベッドがあるんだからそこは間違いなく寝室だ。   なんで。 どういう事。 さてはこの人、実はものすげえ眠いのか。 なんて思っていたら、俺の体は宙に浮いていた。 「え……」 「大人しくしてろよ」 「ぎゃっ!」 ボスッと投げ飛ばされた。 文字通り、俺は課長によってベッドの上へと投げ飛ばされた。 そしてなぜか。 ほんっとーに意味が分からないんだけど。 「か、課長……?」 「準備してくるから待ってろ。騒ぐなよ。大人しくしてりゃ怖い思いはさせねえから」 「なんで……ろ、ロープ?……なんですか、何するんですか」 課長の手には何の用途か麻縄が。 持った両端をピシッと張る光景を見せつけられ、身に感じた恐怖から俺はじりじりと壁の方に後じさった。
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