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そして今。
相変わらず縛られたまま、俺の上には課長が乗っている。
タイは外され、シャツのボタンは全開で、ズボンとパンツを引きずり下ろされたのがついさっき。
「待って下さい!!」
「待たねえ」
「俺ムリです! ほんとムリです!!」
「気持ち良くイかせてやる。お前は寝てるだけでいい」
「いい事なんてなんもないですよね!?」
大変だ。
課長がおかしい。
このままだと俺は確実に食われる。
風呂に行ったせいかほんのりと色づいたその頬も、どこか虚ろにぼんやりとした目元も、いつもバリバリ仕事をこなすカッコイイ課長とはまるで別人のようだ。
誰よりも厳しくて、けれど誰よりも頼りになって優しくて、社内の女の子達で課長に憧れない子はいないとまで言わせるほどのハイスペックイケメンなこの人。
そんな人が。
なんで。
「悪いな」
「そ……そう思うんなら退いて下さい!」
「それは駄目だ。もう限界なんだよ。お前見てるとムラムラして仕方ねえ」
「!!!」
なんか言われた衝撃的一言。
どういう事ですか。
あんたずっと俺をそんな目で見てたんですか。
余りの驚愕に声も出なくなっている俺をよそに、課長は堪えきれないと言わんばかりに上体を伏せて俺の体に唇を寄せた。
「かちょッ、……」
ちゅっと、首筋に吸い付かれ、そこから下へ下へと肌を堪能するようにゆっくり舌を這わせていく。
鎖骨にカリッと噛みつかれると思わず肩が小さく揺れて、課長はそんな俺の反応を逐一観察しては目を細めていた。
妙に、うっとりと。
俺の体を触って何が楽しいのか、その表情はまさに恍惚といった感じだ。
上気した頬もぼんやりとした眼差しも時折のぞかせる赤い舌も、どこもかしこも色めき立っていて同じ男とは言え目のやり場に困る。
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