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私はそうちゃん家のチャリ置き場にしゃがんで待っていた。スカートが汚れないように気をつけたつもりだった。そうちゃんの足音が近づいてくる。
「遅いよ、そうちゃん。待ってたんだから」
スカートをポンポンとはたきながら、立ち上がった。遅い、あんなに早起きしたのに、ほんとムカつく。そうちゃんは、私の制服をチラっと見て、ごめん、ごめんと誤った。
私は顔に出やすいのだろうか、そうちゃんは手を伸ばして、私のカバンをみた。私はそうちゃんにカバンを渡した。そうちゃんは自分のカバンからタオルを取り出してママチャリの後ろにひいてくれた。私はこういうところが、たまらなく好きだったりする。私はタオルの上に座った。そしていつものようにそうちゃんのシャツをつかんだ。
駅まではチャリで10分弱。何も喋らなくても気まずくない。だけど、お願いごとを言うときは、目を見ない方が話しやすかった。
「ねぇ、そうちゃん。もうすぐ夏休みだね」
「そうだね」
そうちゃんは、相変わらずそっけない。
「IsTの新曲聴いた?あれ最高。毎回言うけど、カッコいい。ヤバイね」
「そうだね。絶対好きだと思ったよ」
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