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「私の服は……警察の制服ね」
「拙者はなんだか全身タイツの怪盗のような服ですぞ!」
「なるほど。服装で警察か泥棒かわかるわけだな。見る限り、警察が俺、乙姫、ことみちゃん。泥棒が虎太郎、かめこちゃん、都、かぐやってところか」
浦島君の言葉に、私は思案する。
メンバー的に、警察の身体能力が低い気がする。
ことみちゃんは論外だし、私も運動には自信がない。
浦島君は男子だからそこそこ運動能力はありそうだけど、相手の泥棒をすべて捕まえるのは難しいだろう。
泥棒側も、かめこちゃんと虎太郎はなんとなく厳しそうだけど、かぐやと都は身体能力が高そうね。
ここは、かぐやと都に宝を盗んでもらう方向で作戦を進めた方がいい気がするわ。
「あとは、職業ってやつだけど……これはいったい……」
「あ、ちょっと待って! なんか来た!」
浦島君の言葉に反応するように、かぐやが声をあげる。
「心の中に声が聞こえる……。私の職業は『オペレーター』。他のメンバーの心の声を受信したり発信したりできるんだって」
なるほど。それはかなり重要な能力ね。
私達全員の司令塔になれる能力だわ。
「それに、みんなの能力も私に知らされてるよ。えっと、浦島君は『監視員』。遠くを見渡せる能力だって。かめこが『トレジャーハンター』。アイテムの場所を察知する能力。それに……」
「拙者は!? 拙者はなんでござるか!?」
食い気味で問いかける虎太郎に、かぐやが暫しの沈黙の後、ゆっくりと口を開く。
「あなたはねー……『ニート』。自分と、自分が触れている相手はいかなる能力も発動できず、いかなる能力の効果も受けない……だってさ。お疲れ、ニート君?」
「な、なんですとおおおーーっっ!?」
虎太郎の叫びが、ステージに響きわたった。
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