猫耳メイドの憂鬱

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「浦島君、その気持ちはありがたいけど……このゲームに勝つって言うことは同時に相手を地獄に落とすってことなのよ? それを分かってる?」 私の問いに、浦島君が黙り込む。 そうなのだ。この戦いは生命ポイントと人質を賭けた戦い。 敗者は地獄に落とされるのだから。 「ああ、分かってるよ。これも縁だしな。あんたのためにどんな相手だろうと全力を尽くすぜ」 そういう浦島君の瞳に、迷いは見られない。 でも、もしもことみちゃんのような子が相手だったりしたら、浦島君は非情になりきれるのだろうか。 不安は尽きない。でも、信じるしかない。 私は彼を信じ、彼の勝利に貢献することしかできないのだから。 「そろそろ次のゲームが始まります。ご主人様は準備を。乙姫さんは着替えをお願いします。私はメイドビキニにでも着替えてご奉仕しますね」 メイドビキニってなんだろう……? 「よし、次も気合入れてがんばるか!」 「そうね」 浦島君の笑顔に、私も微笑みを返す。 そうだ、気合を入れて頑張るしかないのだ。 泣いても笑っても、私達にとって最後の生きるチャンスなのだから。
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