幕間:白雪かがみの憂鬱

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「お姉ちゃん。アップルパイ食べる? りんご、頑張って作ったんだよ? えへへ」 私の双子の妹、白雪りんごが、ニコニコと微笑みながらアップルパイを差し出してくる。 年齢的には成人済みのはずなのに、私達はそろって幼く見える容姿をしている。 凹凸の少ない体に、生まれつきくりくりとした大きな瞳。 少しでも大人っぽく見えないかと、揃って金色に染めた髪の毛もさして意味はない。 私は昔から、この見た目がコンプレックスだった。 だが妹は、この見た目すら利用して上手に世の中を渡ってきた。 そして……幼子の様な顔で多くの人間を殺してきたのだ。
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