偽りの絆

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*シオン ウィリアム 「…君はここで一生そうやって生きていくつもりなのかね?」 は?このジジイは… パブとホテルの間の路地でついさっき稼いだ金を数えている俺に話しかけてきた。 手荒いプレイで身体はボロボロだ。 「この方法しか思い付かなかったんで。」 早く金がほしかった。 それをひどい【父親】に渡してみんなを自由にさせたかった。 俺は孤児だ。 施設にいたが、あまりにひどい扱いをする【父親】に我慢出来ずに逃げた。 俺が気がかりなのは残してきた【弟】達。 あいつ等を金で買って自由にする。 俺が手っ取り早く稼ぐ方法はこれだった。 お陰さまで?外見はキレイらしいからな。 こんな俺でも知ってる、このジジイはあのバカみたいにでかい屋敷の奴だ。 こんな路地に変な乗り物に乗って、不気味すぎるくらいに笑わない執事を連れてる。 「君ひとりで世界でも救うのか? ならまともに働くってのを知るのはどうだ?」 は? 変な奴だな、こんな俺を雇うのか? 執事が一切笑わずにお金を渡してきた。 「身なりがキレイになったら来なさい。」 くそが! あの屋敷から金をふんだくってやる!
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