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でも何も起こらなかった。
オースティンって鈍感なのかな…
部屋に戻り、タイピングの練習をする。
ここの給与をどのくらい貰えるかは知らない。
でももし、俺が何か役に立つなら…
なんてな。
夢は寝て見ろってな。
初めてアランにタイピングを頼まれた。
……ど、どうする?
確実に遅いのがバレる。
必死なのを隠しているけど、アランの少し怪訝そうな顔を見てしまう。
まずい、まずい…
どう足掻いてもまだ早くなんて打てない。
やっと部屋に戻ってタイプライターに触る。
追い出されるのは明日かもしれない。
別に役にもたたないのに、追い出される事を怖がってしまっている。
その夜に不安で屋敷を抜け出すと街で常連と出くわす。
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