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昼と違って夜の繁華街の外れはガラが悪かった。
確かにこんな所に中学生を30分も待たせるのは親じゃなくとも心配になるだろう。
治安が良い日本でも流石に女性が1人で歩くのは危険と感じたマナは地下鉄の駅まで全速力で走った。
マナは駅に着きエスカレーターで下っていくと、初めてどこか違う所へ落ちていくような感覚を覚えた。
「何なの?今の感覚。疲れているのかな?」
マナは頭を数回横に振り、ふぅと強く息を吐いた。
タイミング良く来た地下鉄の列車に乗ると、運良く空いてる席に座れた。
マナはバッグを開けスマホを出し、携帯小説の画面を開き、金髪でツインテールの可愛い女の子のアイコンをクリックした。
いつも異空間へと導いてくれるのだが、数行文字を追っただけで、疲労と安堵のせいかマナはコクリコクリと船を漕ぎはじめた。
「マナ様」と声を掛けられ、ハッとして起きると、そこにはあのアイコンそっくりの小さな女の子が立っていた。
こんな時間に?
親はどこだろうと周りを見渡すと親どころか車内にはマナと女の子しか居ない事に気が付いた。
「こんばんは。
私は異空間案内人のSZと申します。
毎日私の小説を読んで下さってありがとうございます。
そのお礼に特別に異空間の体験を差し上げます」
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