白河夜船

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「先に行ってますね」 そう言うとSZは “ポン” と弾ける音をさせて消えた。 「それでは私達も1000年後の異空間へ行きますよ。 私に捕まって下さい」と、魔法使いが言った。 “ヤッタ!超イケメンに抱きつける!しかも、ちょっとこの人からいい匂いがするんだけど” と、マナは邪な事を考えながら魔法使いにギュッと抱きついた。 …(1秒) …(2秒) …… ……… あれ?10秒以上経ったにも拘わらず全く変化が無かった。 「マナさん、お願いなので私に邪念を送らないで下さい。 精神が乱れて魔力に集中出来ません! それに手を繋ぐだけでいいんです!」 魔法使いはバッとマナから身を剥がすように離れた。 “これくらいの考えで邪念とか!きゃー、純情!可愛い!イケメンで純情とか最高じゃない” マナは思っただけで、口にはしなかったが、魔法使いは察したらしく更に厳しい目でマナを見た。 「そういうことでは異空間へ行けませんよ。 私はデリケートですから心を掻き乱されると魔法が発動しないんです。 そんなんだったらホラ○ダーに替えてもらいますよ」 ホラ○ダーはマッド科学者で魔法使いではなかったはず。 しかも多分イケメンではない(ここ大事) 「すみません。真っ白な清い心になります……」
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