さん。

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その後の記憶は、あまり無い。 いつまでたっても登校してこない僕を心配して、 担任の先生と、学年主任が 家を訪ねて来た時には、 僕は、 台所の隅っこで、 ばあちゃんの割烹着を握り締めて、 体育座りをしてたらしい。 すぐに担任が警察へ連絡をし、 その後、 事情聴取だなんだと、 さんざん、 質問攻めに合ったけれど、 何度聞かれても、 答えは同じだ。 『ばあちゃんは、無くなってた』 言葉で言っても伝わらないだろうから、 わざわざ、紙に書いて “無くなった”事を強調したのに、 警察も担任も、 誰も信じようとしなかった。 ばあちゃんが居なくなったショックで、 僕の頭がおかしくなったと、 陰口を叩くやつもいた。 しまいには、 僕がばあちゃんを殺したから、 それを隠す為に、 おかしな事を言って誤魔化そうとしてる、と 言い出す警官もいた。
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