いち。

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それでも、 ばあちゃんは決して、 僕を海には近付けなかった。 もちろん、 僕だって遊びにいきたいお年頃。 だけどばあちゃんは、 決して僕を一人では外に出してくれなかった。 学校に行くときも、 買い物に行くときも、 いつも、ばあちゃんが付いてきた。 父さんも母さんも居ない家。 いつも、ばあちゃんと一緒。 小さい町だったから、 僕の噂は、あっという間に広まって、 学校でも、町内でも、 僕には、 友達なんて、 一人も出来なかった。
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