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「アマービレ・コールだって。これってあれだよね?」
オリンポス入隊試験。
軍事国家であるネルタの中枢を担うその軍隊への入隊試験。
年間複数回行われているそれを突破した者達の資料が並べられた部屋で、金の髪をなびかせた少年がそう呟いた。
その向かいに座っているのは体格の随分と大きな男。暗い部屋の為、お互いの表情は見えてはいないように感じる。
だが。
「これは...面白いんじゃない?ちょうどいいし、ロキの軍に配属してあげなよ」
そう話す少年の声は、顔など見ずともとても楽しそうな様子がよく伝わってくる。
とても邪悪で、無邪気な笑顔が浮かぶような、声。
大きな男はそれに答える事はなく、少年が手渡した資料を手にすると静かにその部屋を出た。
少年が一人残された暗い部屋。
残っている資料も多々ある中で、彼はそれらには興味を示さずただ面白いと言わんばかりに小さな声でくつくつと笑い続けていた。
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