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6月の初めの夜、梅雨のシーズンの盛大な幕開けと言わんばかりの大雨が降った。
翌日の空は、ひとしきり泣いて気が済んだ後の子供のように、からりと晴れ渡っていた。
日差しは嘘のように強かったが、空気が昨日の雨の温度を吸ったのか、風は秋口のように冷たかった。
その日の夕方、俺がハルトの元を訪ねたところ、ハルトは気温差にやられて案の定熱を出していた。
「アマセか」
部屋に入ると、白い頬に紅をさしたような赤い顔のハルトが、ゆっくりと俺に目を向け、気だるげに呟いた。
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