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漣が立った。
浜辺で、波が手招きしている。足をいれて、ひんやりと冷たい。
漣が立った。
愛する人と手を繋いで、浜辺を歩く。
あれから私は土方さんに空き部屋を紹介してもらった後、沖田さんたちとちゃんばらごっこをしたり、花見に行ったり、とても楽しい日々を過ごした。そんな中でも戦いは常に迫り、命の危機は守られない。
それでも、私の愛した人はその命尽きるまで戦い続けた。
私は沖田さんと闘い続けた。戦争ではなく、病気と。
最期に、私は浜辺を歩いた。沖田さんの形見である刀と、その破片。
海に放り投げて、私は大声を上げて泣いた。
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