大須という聖地

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『なもなも、もがもがと言ったかなも?』  なもが多すぎ。 こんな状況なのに笑えてきたが、鬼は渋い顔になっている。 『まさか南無南無殯殯と唱えるとは……』 『ここは殯の宮だ。 昔、五丁町と呼ばれたところ』 『そうなも』 『お前、この土地もんじゃないなも。 東からか?』 あずま……鬼たちは、古い世界観で話すかと、勝手に解釈した俺は江戸だと答えた。 『じゃあ、吉原から?』 よ、し、わ、ら?  親が離婚して無理やりつれてこられた町、楽しかった思い出のある東京に羨望した。 なによりもオタクの聖地アキバがある。 『思い出がいいとは限らないなも』 鬼の言葉は聞こえたが、俺は惹かれるように吉原、江戸を目指した。
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