序章 神札戦争(オラクル・ウォーズ)

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序章 神札戦争(オラクル・ウォーズ)

タロットカードは、15世紀に作られたとされる絵の入ったカードの事を指す。主な用途は占いや遊戯で、起源が未だ不明な所などから多くの作品に影響を与えている。 78枚1組がもっとも一般的で、その内訳は1から10までの数札、4枚の人物札を「スート」とした4スート56枚の小アルカナと、寓意画が描かれた22枚の大アルカナに分けられる。しかし日本ではその知名度から、「タロット」という言葉自体が「大アルカナ」を表すことが多い。 タロット、とりわけ大アルカナは占いに用いられるほど不思議な力を象徴する存在であり、古くから占星術や錬金術などのような呪術的モチーフと結び付けられていた。そして、かつてそれをモチーフにして作られた古代兵器が存在したが、歴史の闇に葬られ、存在を秘匿されてきたのも事実なのである。 22種類あるタロットの寓意。それらが有するメッセージを媒体とし、また力とした神秘の武器、『加護札具(オラクルアーツ)』。それらを持った22人の魔術師が最後の一人になるまで戦い抜き、そして勝ち抜いたものには栄光と繁栄が与えられたという大戦は、実は今日に至るまで世界各地で人知れず綿々脈々と続けられていたのであった。 その名こそ、 「神札戦争(オラクルウォーズ)」。魔法という存在の認知はあれど、使いこなせるものや理解する者はごく少数であるこの現代社会に紛れて生きている魔術師たちが、己の魔術と誇りをかけて激突する戦争が、今まさに火ぶたを切って落とされようとしていたのだった。
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