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「その幽霊はな、髪を三つ編みにした女の子の幽霊なんだ。
その幽霊は、あの森に住み着いて離れない。
森に入る者に呪いを撒き散らし、不幸への道へと誘うんだ」
徹くんは、ここぞとばかりに私を怖がらせようと、怪談の雰囲気たっぷりに私に言った。
「ねぇ、こっちにおいでよって……」
私は徹くんのその話を聞くと、ゾクリとして体を縮めた。
森に住み着いている幽霊って、いったいどんな姿をしているのだろう?
きっと不気味な青白い顔で、白い着物なんかを身につけて、足なんてきっとないんだ。
あの森に幽霊がいるなんて、そんなことを聞いたら、急にあの森が怖くなった。
明日はアキちゃんと、あの森で約束をしているのに……。
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