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徹くんと行った森まで、走って五分。
ここにはたくさんのカブトムシがいる。
私が住む町は、コンクリートに囲まれていて、カブトムシなんてどこにもいない。
だから私はウキウキしながら、昨日、徹くんに教えて持ったように、木々を見つめ、カブトムシを探していた。
だけど、田舎暮らしの徹くんには簡単に見つけられたカブトムシも、都会暮らしの私には見つけることができなかった。
「どこにいるのかなぁ、カブトムシ……」
私はポツリとつぶやいて、木々の間を歩いていく。
よろこび、勇んで家を出たのに、一匹もカブトムシを見つけられないなんて、カッコ悪い。
私は夢中にカブトムシを探したけど、時間ばかりが過ぎていって、カブトムシは一匹も見つからなかった。
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