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おばあちゃんの家を出てから、二時間くらいが過ぎただろうか。
私がため息をついて、カブトムシ探しをあきらめかけていたとき、見知らぬ女の子が、私に話しかけてきた。
「ねぇ、何してるの?」
私は静かな森で急に話しかけられたことに驚き、ハッとして顔を上げた。
「あなたは、誰?」
髪を三つ編みにした同じくらいの女の子が、笑顔を浮かべながら、私の顔を見つめていた。
「私はアキ。
この森の近くに住んでるの。
あなたは?」
「私は真美。
この近くにあるおばあちゃんの家に遊びにきてるの」
「きれいな虫かご持ってるね。
何を取ろうとしてたの?」
「カブトムシ。
だけど、全然見つからなくて……」
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