3人が本棚に入れています
本棚に追加
「おっ、お、、おじゃましま、、す」
「はいどーぞっ」
飲みに行って気がつけば1時半。
「歩いて帰るから大丈夫!!」と
一点張りの君をやっと家にあげて1時50分。
「適当に寛いでくれてていいから」
「う、うん、、ありがとう、、っ」
靴のかかとに引っ掛けた、
右手の指が震えてる。
心なしか、頬がさっきよりも赤い。
声もなんだか上ずってる。
(ひょっとして緊張してる……?)
「きっ、、綺麗にしてるんだね!男の人の部屋って、ほらっ、もっとこう、ゴチャゴチャしてるもんかと思ってた!!」
「初めて入った?男の人の部屋。」
「へっ///////!?
違うよ、あるけど、あはははっ」
でた。
嘘つくとすぐに笑ってごまかそうとする癖。
(ふ~ん。そういうことね。)
噂では男性経験ないって聞いたことあったけど、可愛いし明るいし、いかにもモテますって感じだから普通にデマだと思ってた。
だけど、どうやら100%デマってわけでもなさそう。
「ん、これウーロン茶。」
「ありがとう。」
ごくっごくっごくっ……。
静流音が部屋に響く。
僕は、その横顔を黙って見つめていた。
「なっ、なに!?ちょ、
なんか変なもん混ぜてないよね!?!?」
「混ぜるかよ!!!
それ漫画の読みすぎだから!!!!!」
すかさず頭に空手チョップをきめる。
君は顔を赤らめて、なんか一人で焦ってる。
「じゃあ何で黙ってみてんのさ!あ、テレビでもみよ!こんなでっかい薄型なんて置いちゃってさぁー!!!」
急に大きな声でしゃべりだして、
そそくさと電源をつける。
「なんか面白い番組やってるかなぁー??」
僕のお気に入りのソファーに座って、
ころころとチャンネルをまわし始めてる。
「あ!ねぇ、お笑いやってる!ほらほら
梶くんの好きな芸人さんでてる…」
君の饒舌が止まらない。
まるで甘い雰囲気が生まれないように、
必死で阻止してるみたい。
それは僕に
「女」として意識させないようにするため?
それとも君自身が
僕を「男」だと意識しないようにするため?
……でもね、カラダは嘘つけないんだよ。
最初のコメントを投稿しよう!