僕ver.

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「おっ、お、、おじゃましま、、す」 「はいどーぞっ」 飲みに行って気がつけば1時半。 「歩いて帰るから大丈夫!!」と 一点張りの君をやっと家にあげて1時50分。 「適当に寛いでくれてていいから」 「う、うん、、ありがとう、、っ」 靴のかかとに引っ掛けた、 右手の指が震えてる。 心なしか、頬がさっきよりも赤い。 声もなんだか上ずってる。 (ひょっとして緊張してる……?) 「きっ、、綺麗にしてるんだね!男の人の部屋って、ほらっ、もっとこう、ゴチャゴチャしてるもんかと思ってた!!」 「初めて入った?男の人の部屋。」 「へっ///////!? 違うよ、あるけど、あはははっ」 でた。 嘘つくとすぐに笑ってごまかそうとする癖。 (ふ~ん。そういうことね。) 噂では男性経験ないって聞いたことあったけど、可愛いし明るいし、いかにもモテますって感じだから普通にデマだと思ってた。 だけど、どうやら100%デマってわけでもなさそう。 「ん、これウーロン茶。」 「ありがとう。」 ごくっごくっごくっ……。 静流音が部屋に響く。 僕は、その横顔を黙って見つめていた。 「なっ、なに!?ちょ、 なんか変なもん混ぜてないよね!?!?」 「混ぜるかよ!!! それ漫画の読みすぎだから!!!!!」 すかさず頭に空手チョップをきめる。 君は顔を赤らめて、なんか一人で焦ってる。 「じゃあ何で黙ってみてんのさ!あ、テレビでもみよ!こんなでっかい薄型なんて置いちゃってさぁー!!!」 急に大きな声でしゃべりだして、 そそくさと電源をつける。 「なんか面白い番組やってるかなぁー??」 僕のお気に入りのソファーに座って、 ころころとチャンネルをまわし始めてる。 「あ!ねぇ、お笑いやってる!ほらほら 梶くんの好きな芸人さんでてる…」 君の饒舌が止まらない。 まるで甘い雰囲気が生まれないように、 必死で阻止してるみたい。 それは僕に 「女」として意識させないようにするため? それとも君自身が 僕を「男」だと意識しないようにするため? ……でもね、カラダは嘘つけないんだよ。
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