1.8月12日

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「司、シャワー浴びてきなよ」 台所の方から千加が話しかける。 「いい。どうせ、またぐしょぬれになるし。そっちこそ、浴びれば?」 「・・・覗かないでよね」 引き戸から身を乗り出す様に、釘を刺してくる顔は若干赤くなっていて、 「だれが、今更。ついこないだまで、いっしょに風呂入ってたのに ぶッ!」 冷たいタオルが顔面に飛んできた。 「ソレ小学校3年までのハナシでしょ!冷蔵庫に麦茶とぬか漬け入ってるから、大人しく飲んで食べてなさい!」 ぴしゃっと浴室の扉が閉められた。 (つめたい) 顔面を覆う濡れタオルに手をやる。 きっと、補習に来る前に―――。 ・・・昨日から冷凍庫に入れておいたんだろう。 どたりと畳の上に大の字に寝そべった。 すごくひんやりしてる。 相変わらず気が利きすぎてて、痒い所に手が届きすぎてて、無駄に付き合いが長いせいか・・・。 鬱陶しいくらいのモドカシサが充満する。 マジで鬱陶しい。 やたら近寄って来て、でも、その奥は全く視えなくて。 結局幼馴染か、弟みたいにしか考えてないのかと思えば、変に恥じらいみたいなのも見せて来るし。ややこしい。 司は起き上がり、ちゃぶ台に濡れタオルを置くと台所へ向かった。
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