1.8月12日

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「よしよし、ちゃんと大人しくしてるな~」 Tシャツと半ズボンを着た千加が立っていた。 低く結び直した黒髪は、やや湿気を吸って毛束感が増している。 千加はちゃぶ台の向かいに座ると、ぬか漬けの残りに手を伸ばした。 「うん、いい浸かり具合!どぉ?」 「ふつうに食える。あっ」 「そういう事言うヤツには、あげません」 千加は小皿を取り上げた。 「ばあちゃんのじゃないよな、それ」 「不味かったら不味いって言えば?」 「不味くないって・・・」 「美味しくないんでしょ?」 「美味しくなくない」 「むかしは、もっと素直だったのに!・・・司」 「なに」 「おばさんに頼んで、もっと新しい校舎のトコに編入した方がいいんじゃない?」 急に真剣な声になったと思えば、そっちか。 「うるさい」 「このままだと、卒業出来ないでしょ!体調だって崩してばっかりだし」 司は千加に背を向け腕枕をし始めた。 (他のトコなんか行ったらますます接点が無くなる) 「こらーあ!年上の話には耳を貸しなさい」 彼の不貞腐れた態度に、ちゃぶ台の下に頭を突っ込みながら千加が説教をする。 こういう所も、また祖母譲りで幼馴染であるが由縁だろう。
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