第2章 8月13日ー邂逅1ー

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「司?」 声の方を見ると、キャミソール姿の幼馴染がタオルで頭を拭きながら、奥から姿を現した。 仄かにシャンプーの香りが漂う。 純情な思春期男子として正しい反応を見せる。 提燈の火を灯したみたいに、頬が火照る。 違うイミで心臓どっくどっくと鳴って、カラダは硬直する。 見ない様にしようと思いつつオスの本能で胸元を見てしまう。 (いくら幼馴染だからって、無防備すぎるだろ?) 「すごい雨だね~」 千加は呑気に天気の様子を呟く。 降って来る籠った盛大なドラムロール。 でも今の司には自分の心臓の音しか聞こえていない。 「・・・おれ帰るわ」 「ハッ?よしなさいよ!雷鳴ってんのよ!!びしょ濡れじゃないの!早くシャワー浴びな さきゃカゼ引くよッ!!」 畳を濡らしながら、司は重い足を引きずりながら出ようとする。 「平気だって」 「だめよ!年上のいう事は聞きなさっ・・・」 千加が司の袖を掴んで引っ張った。 「ウザいんだって?いちいち姉貴風邪吹かすなっ・・・」 ブンっと掴まれた袖側の腕を振り切る。 「きゃっ」 反動で幼馴染が後ろに倒れる。 「!!」 やばっと司は幼馴染の躰を抱えようと、両手をめいっぱい伸ばしてホールドしようとする。 ずるっと雨で濡れた足裏が滑る。 「え。」 派手な音を立てて、ふたりは畳に倒れ込んだ。
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