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「―――・・・っ」
目を開けるとなんか柔らかい、し・・・。イイ匂いがする・・・。
起き上がろうと手に力を込めたら「やッ・・・!」可愛い声が頭上から聞こえた。
今俺、手で何を掴んだ?
柔らか・・・―――はっ!
躰を起こすと、眼下に圧迫するように入り込んできたのは、頬が紅潮した見飽きた幼馴染の顔だった。女の子の顔をしている。
司の手は彼女の片方の胸を鷲掴みにしていた。
互いに方針状態で見つめ合う事数十秒。
「つかさッ!」いきなり彼女の表情が険しいものになり、叫んだ。
振り向かなくても背後に感じる気配。
彼女を庇おうと覆い隠そうとした瞬間、横から細い腕が思いっきり俺を突き飛ばした。
その後は一瞬で。
彼女はどす黒い渦に呑み込まれて消えた。
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