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「いらない」
それ、間接キスだろ。わかってて言ってんのか、それとも、ガキの頃の延長なのか、真意は不明だ。
はぁ、と小さく息を吐いて、司は持参したペットボトルを手に取る。
くそ暑い教室の影響で表面は汗だくだ。
昨晩冷凍庫で凍らせておいたのに、中身はすっかり海面に浮かぶ流氷みたいになってる。
それでも、触れば、手のひらには、ちょっとだけ冷たさを提供してくれた。
天候の事だけで済むなら、プールにでも海にでも行きたい。
だが、夏休み中は、ずっと補習だし、夏期講習に家庭教師と予定はすべて真っ黒だ。
ゾク・・・。
背中に視線を感じた。
(居る・・・)
恐る恐る、視線の元を辿った。
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