迎えり

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迎えり

爽やかな風が、心地良く顔の汗を拭ってくれる。 『おはようございます!』 向井依里(むかいえり)は、ジョギング中の足を止め挨拶をした。 『毎日、よく走るねぇ?』 まだ開いている商店街のシャッターは少ないが、雑貨屋のおじさんが手を上げながら言った。 『はい!頑張りまーす!』 依里はそう言って、再び前を向いて走り出した。 依里は、今年の3月に短大を卒業し、4月に今の会社に入社した。 パソコンを扱える依里にとって、ウェブ事業部は比較的気楽な職場であった。 『フーッ』 折り返し地点の公園で、息を整えながら、ウォーターボトルを直接口につけ喉を潤す。 『まだかな?』 依里は、辺りを見渡した。
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