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『叶恵、この間の…』
依里は、オレンジの皮を剥きながら言った。
『ああ、大丈夫…何とかなるよ』
叶恵は、呟くように答えた。
『叶恵…』
『ムカエリは、心配し過ぎ!』
『そんな事言ったって…』
『何とかなるっしょ!この世界、そんなに甘くない!』
『まぁ、お互いにまだ若いしね(笑)』
『そうそう…って、年寄りじみてない?あたし達(笑)』
『で…ひとつだけ…』
依里は、正面に向き直して話した。
『んっ?』
『その娘、残念だけど…もう…』
『そっかぁ…ありがとう、無理させちゃったね』
『ううん、場所は特定出来なかったけど』
『ありがとう、何とか調べてみる!じゃあ、行くね!』
『無理しないでよ?ビタミン、ありがとう!』
依里は、叶恵が去るのを見ながら立ち上がった。
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