迎えり

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依里の母親は、17歳で依里を産んだ。 同じ年の父親は、同居し認知したものの…自身の家族の元に戻ってしまった。 依里は、母親とまだ若いおばあちゃん、大じーちゃん、大ばーちゃんと暮らしていた。 『こちらです…』 病院に着くと看護師さんがエレベーターで最上階まで案内してくれた。 大じーちゃんは、1ヶ月前に救急車で運ばれた時…既に末期の大腸癌で余命1ヶ月を宣告されていた。 『静かだね?』 『みんな、寝てるから…静かにね』 おばあちゃんが言った。 『うん』 エレベーターが最上階に着くと右手に受付があったが、死亡した患者の遺族はパス出来るらしかった。 受付を抜けて、左に行った所に部屋があり…そこに大ばーちゃんと大じーちゃんが居た。
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