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『大じーちゃん、居る?』
依里が聞いた。
『ちょっと待ってね』
大ばーちゃんは、仏壇の観音開きの戸を開いた。
『たっだいまー!』
『おう!』
『おう!だって(笑)』
『んっ?』
大ばーちゃんは、おやつのヨーグルトを用意していた。
『やっぱり、依里だけにしか聞こえないのかなぁ…』
小学二年生の依里には、まだ判断がつかなかった。
『ゲームやってもいい?』
『おやつ食べてからね』
『うん、食べながらやる!』
『こぼすと、ママに怒られるからね?』
『わかってる、大ばーちゃん…』
『何?』
『大じーちゃん、居なくて寂しい?』
『そうね、ずっと一緒だったからね』
『寂しいんだって!』
『えっ?』
『何でも無い』
依里は、仏壇に飾られている写真に向かって微笑んだ。
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