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「…終わったら、飯でも食いに行こうよ。」
仲のいいバイト仲間が、私のそばに来て話し掛けた。
彼は、アイツと別れた私と、もっと近付きたいんだ。
そんなの見てたらすぐわかる。
「うん、いいよ。」
アイツの見ている前で、私は彼からの誘いを受ける。
少しだけ、上目遣いで彼の目を見つめた。
「どこ行きたい?」
「どこがいいかな…。」
彼はいつもより少し、私との距離を詰めた。
今、アイツが彼女に気付かれないように、チラリと私を見た。
「ねぇ、聞いてるの?」
彼女がアイツの腕を掴んで体を揺する。
「あっ、うん…。」
アイツは視線を泳がせて、曖昧な返事をした。
気になる?
彼女がいるくせに。
私よりも彼女が好きなんでしょ?
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