バイト先にて。

2/3
前へ
/3ページ
次へ
「…終わったら、飯でも食いに行こうよ。」 仲のいいバイト仲間が、私のそばに来て話し掛けた。 彼は、アイツと別れた私と、もっと近付きたいんだ。 そんなの見てたらすぐわかる。 「うん、いいよ。」 アイツの見ている前で、私は彼からの誘いを受ける。 少しだけ、上目遣いで彼の目を見つめた。 「どこ行きたい?」 「どこがいいかな…。」 彼はいつもより少し、私との距離を詰めた。 今、アイツが彼女に気付かれないように、チラリと私を見た。 「ねぇ、聞いてるの?」 彼女がアイツの腕を掴んで体を揺する。 「あっ、うん…。」 アイツは視線を泳がせて、曖昧な返事をした。 気になる? 彼女がいるくせに。 私よりも彼女が好きなんでしょ?
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加