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数日後。
身の危険を感じたレミは地元へと戻り、
現在は従兄である仁兄様のマンションへ
身を寄せていて。
近日中にカオルも合流するそうだ。
…そしてなぜか私は今、実家にいる。
ユリ伯母様(大手宝飾店の代表夫人)
キク伯母様(葬祭専門業の会長夫人)
フジ伯母様(不動産会社の社長夫人)
以上3人が、私の結婚に反対し、
乗り込んで来たと母から連絡を受け、
仕方なくナカダ氏と共に戻ったのだ。
父方の伯母たちは全員、怖い。
顔からしてもうド迫力だ。
恐る恐る応接室に入ると、
『3オバ』がギロリと私たちを睨み、
顎をくいっと動かして早く来いと促す。
いえ、意味なく広いのでね、この応接室。
駆け足で応接セットに辿り着くと、
長女であるはずのユリ伯母様が言った。
「極道モンと結婚するとは、
な~に考えとんのじゃワレ」
…ユリ伯母様は
侯爵夫人のような気品溢れる佇まいだが、
残念なことに言葉遣いが異常に汚いのだ。
「身内にそんな人間がいると知れたら、
主人の会社の信用もガタ落ちざますわ」
…キク伯母様は
清楚な容姿に似合わず、
『ざます言葉』を多用する。
「まあまあ2人とも。
リナちゃん、その方が婚約者なの?
挨拶していただこうかしら」
…フジ伯母様は
怖さの中にも愛くるしさを隠し持つ。
他の2人は浮世離れしているが、
この人が一番まともっぽい。
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