14.デリシャス タイム

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…… 「分かったわ!お姉ちゃん。 じゃあ今月イッパイまで家出してるから。 お母さまにもそう伝えておいて。 あと、ユリ伯母様たちの件、 ルビイちゃんに情報流せって電話しとく」 『分かった、有難う』と電話を切り、 スマホを握っていた手をマッサージする。 はああああああああっ。 長かった。 レミってば、会話に飢えていたらしく、 本題に入るまで3時間も掛かったのだ。 私のベッドに座り、 膝にPCを乗せて仕事するナカダ氏は、 こちらも見ずに『お疲れ~』と言う。 実は今回、『取材旅行』という名目で。 ええ、一応、私も作家ですからね。 とにかくそれで2日間だけこちらに 滞在出来るというワケだ。 「あと1日で解決するのかなあ。 ルビイちゃんの活躍に期待だわ」 ようやくココでナカダ氏が顔を上げ、 私に質問してくる。 「ルビイちゃんって、誰?」 「ユリ伯母様の娘で私たちの従姉。 今年25歳になるんだけど、 ウチの父親が初恋相手とかいう変人」 …ちなみに『流美唯』と書いて 『ルビイ』と読む。 「は?!リナの父親ッ?!」 「それが未だに好きらしくて、 ついでにその娘である私たちにも、 異常な愛情を示してくるのよね」 「だ、大丈夫なのか、その人」 「安全だとは言い切れないけど、 何もしないよりはマシでしょ?」 それから数時間は、 恐ろしいほど静かだった。 …が、突然事態は急変するのだ。
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